フッ化物は私たちの身の回りに多く存在しています。たとえば、野菜や果物、お肉、お魚、お茶や川や海の水にも含まれています。
ですから、フッ化物を使った口腔ケアは安全性も高く、世界保健機関(WHO)をはじめ、厚生労働省や文部科学省などの国内外の機関でむし歯予防に推奨されています。
どのような仕組みでむし歯を予防する事ができるのかについて説明します。
ひとつめはむし歯の要因「酸」に強い歯になるということです。フッ素が歯の表面から吸収され、「酸」に対しての抵抗力を持つようになります。
ふたつめは、初期のむし歯で溶けてしまった歯が再び元の歯に戻ることがあるということです。
むし歯は「酸」によって、歯が溶けていく状態のことですが、溶けてしまい柔らかくなった歯に再びカルシウムが沈着して、溶ける前の硬い状態になることを促進します。
最後に、むし歯の原因となる菌の働きを押さえ込んでくれます。
これらの相互作用でむし歯予防効果が期待できます。
ただし、ていねいな歯みがきや歯石除去など毎日のお口のケアと合わせて、効果が得られます。
「フッ化物を使ったケア」だけでは効果はありません。「フッ化物を使ったケア」を実践するには、歯科医師や歯科衛生士による歯への直接塗布が最も効果的です。フッ素入りの歯磨き粉や洗口剤もありますが、使用方法を間違えると効果が得られません。乳幼児にたいして行われている「フッ化物塗布」は、成人にも効果があります。なにか疑問等がございましたらかかりつけの歯科医にご相談下さい。